FAQ

GLOSSARY

1 投資

概要:現時点である出費を実行し、ある将来時点でそれを上回る資金回収を意図する経済行為。

説明:将来の回収資金が不確実(=意図した額と異なる可能性がある)なことで、投資リスクが生じる。意図した以上の成果が得られることも金融理論上はリスクと表現される。

2 金利

概要:資金の貸し借りの対価。金融、経済、資本市場の基礎をなす。

説明:債券市場で債券の売買が起こると、約定された債券価格における”利回り”が決まり、これによって国内の金利の基礎が形成される。

3 債券

概要:国、公共団体、企業、金融機関等が資金調達の為に発行する有価証券。機関投資家の資金ニーズによって売買が生じ、巨大な市場が形成されている。

説明:多くの場合、予め決定されている”クーポン”(=利札)が定期的に購入者に支払われる。また、多くの場合、満期(=償還)日が決まっており、償還時点の価格も予め決まっている。

4 株式

概要:株式会社が長期かつ自由に使える資金を調達する為に発行する有価証券。債券同様、巨大な売買市場が形成されている。

説明:配当が株主に支払われるが、その金額は前もっては決まっていない。満期も存在しない。企業が破綻すると株主は他の債権者に比べて劣後する権利しか持たない。

5 インカムゲイン

概要:預金金利/利息、株式の配当金、国債や社債のクーポン(利札)といった、定期的に支払われる性質の収入。

説明:キャピタルゲインに比べて、予想が容易であり、比較的安定したリターンの源となる。

6 キャピタルゲイン

概要:投資したモノの値上がり益のこと。株式、原油、金(ゴールド)、通貨、不動産などの売値と買値の差。債券にも存在する。

説明:売却額よりも購入額が大きい場合、キャピタル・ロスと呼ばれる。この場合は値下がり損と呼べる。

7 直接金融

概要:社債や株式を購入することで、その代金が直接的に発行企業に入ることになるが、こうした資金の調達者(企業等)と資金の出し手(投資家等)との間の関係性を示す。

説明:銀行を通じた資金の拠出・調達の関係を示す”間接金融”と対比される概念。証券投資の多くは直接金融にあたる。

8 景気

概要:経済活動の活発さの度合い。数値として把握する場合、GDP(国内総生産)の変動を景気変動に代用する場合が多い。他にも多くの景気指標が政府・日銀等から発表される。

説明:特に何も補正しない名目値(名目GDP)から物価上昇分を差し引いた実質値(実質GDP)も発表される。どちらも景気変動を観察する上で非常に重要。GDPは、内需と外需の和である。内需は消費・投資・政府支出で構成される。

9 貿易収支

概要:輸出額から輸入額を差し引いた数値。

説明:輸出額が輸入額比で大きければ貿易収支は黒字である。この場合、貿易黒字はGDPの押上げ要因である。近年の日本では輸出額と輸入額は拮抗している。

10 物価変動

概要:代表的なものに消費者物価と企業物価があり、モノの値段と通貨価値との相対的変動(需要と供給のバランス)によって物価は変動する。

説明:モノの値段が相対的に上昇する(通貨価値が下落)場合、物価は上昇するが、それはインフレーションと呼ばれる。逆がデフレーション。

11 企業の利益

概要:営利企業が獲得を目指すもので、企業の存在理由となるもの。売上高から各種ステークホルダーに支出する都度、利益は減少するが、損益計算書上で各段階の利益を確認できる。

説明:売上総利益・営業利益・経常利益・税引き前/税引き後利益、金融業における業務純益、等々、多くの利益段階がある。引当金や減価償却などの、実際には現金が支払われない(帳簿上の)利益圧迫要因が存在する。

12 株主に帰属する利益

概要:税引き後の当期純利益のこと。最も変動率の大きな利益であり、株式のリターンの源泉となる。

説明:売上高から、株主以外のステークホルダーがそれぞれ受け取った後に残るのが当期純利益であるので、株主とは自身に帰属する利益を事前に予想しにくいステークホルダーであると言える。

13 損益計算書

概要:P/Lと略される。いわば年間の成績表。売上高と各種利益、翌年度への繰り越し等が明示される主要財務諸表。

説明:”儲かっているかどうか”が明確に示されるので、特に株式投資家には重要。

14 貸借対照表

概要:B/Sと略される。いわば企業の健康診断書。企業活動に用いる資産と、活動資金の調達元を明示した主要財務諸表。

説明:”企業が安全かどうか”が明確に示されるので、債券投資家や債権者にとっても重要。

15 純資産

概要:B/S上で、資産総額から負債を差し引いた額。過去の利益の蓄積が主に反映され、文字通り、企業にとってはネットの資産額である。株式投資者に帰属する額に近似すると解釈される。

説明:負債額+純資産額=資産総額

16 発行済み株式数と時価総額

概要:株式会社は株式を”発行”して買い手を募り、買い手は発行された株式数のうち一定の割合で株式を保有することになる。全株主の保有株数を合計した数。2020年第3集四季報によれば、トヨタ自動車の発行済み株式数は、約33億1千万株。

説明:2020年7月末現在のトヨタ株式の時価総額は;20兆5800億円(=3310百万x株価6217円)であるが、これは、”この金額があれば現株価でトヨタ自動車を完全に買い取ることができる”金額と解釈できる。つまり、株式市場が与えたトヨタ自動車の会社の値段。

17 BPSとPBR

概要:純資産額を発行済み株式数で割ると、”一株あたり”の純資産額(BPS)を得る。BPSと株価の比率がPBR(Price to Book-value Ratio、株価純資産倍率)。

説明:PBRが高い状態は、成長力が市場で評価を受けている状態であると解釈できる。一方、BPSは、いわば会社の原価に相当するため、PBR1倍未満の状態は、保有資産が生み出す価値が全く評価されていない状態と解釈できる。

18 EPSとPER

概要:当期純利益を発行済み株式数で割ると、”一株当たり”の純利益(EPS)を得る。EPSと株価の比率がPER(Price Earnings Ratio、株価収益率)。

説明:PERが低いと、EPSに対して株価が割安な状態であることになる。時価総額を支払って全株式を買い取った買収者が買収資金を回収する年数を意味する事にもなるため、株価判断上、非常に重要である。

19 投資家への配当金と配当利回り

概要:企業は、株主の出資に対して配当金の支払いという形でリターンを返して報いる。配当金が今後増額するという予想がたてば、株式の魅力が増すことになり、株価は上昇する。

説明:配当利回り=配当金額÷株価。2020年8月中旬現在、東証1部平均で約2%。

20 株価バリュエーション

概要:株価は2万円、3万円という銘柄から150円という銘柄まで様々であり、そうした絶対金額自体に株価判断材料はない。代わって、PBR、PER、配当利回りといった数値が株価の割安/割高を判断する為に用いられる。

説明:割安な銘柄を買えば儲かるわけではない。割安なものにはそれなりの理由があるのが通常だからである。

21 キャッシュフロー

概要:(P/Lに表現される会計上の利益に対して)現金として保有しているもの・現金の出入りを示すキャッシュフローがしばしば対比される。

説明:11の『利益』の説明をご参照。

22 ROE

概要:Return On Equity(株主資本利益率)。株主が拠出した資金に対する、株主に帰属する当期純利益の金額の比率。

説明:ROEが高いということは、株主として報われていると言える。ROEは株価バリュエーションではない。

23 企業財務

概要:企業の財政状態。B/Sとキャッシュフローを総合して分析すると精度が向上する。

説明:株式よりも社債投資には必須といえる。

24 リスクフリー金利

概要:元本及び利金の支払いにまず懸念がないと思われる投資対象の利回りのこと。日本の場合、国債利回りがこれに該当する場合が多い。

説明:株式のような価格変動が大きい(つまりリスクが高い)投資対象に投資をする場合、投資家はリスクフリー金利よりも高い利回りを要求する。期待リターン=リスクフリー金利+株式のリスクプレミアムという関係があり、更に、リスクプレミアム=α+βx市場リターンと分解される。

25 株主資本コスト

概要:負債部分には通常、明確な負債金利が課されているが、株主から調達した株主資本についても、ROEという株主に負っている期待リターンが存在し、それが株主資本のコストである。

説明:経営者は、近年、株主資本コストを意識した財務戦略・経営が要求されるようになっている。

26 アルファ(α)

概要:当該企業の株式リターンが極めて個別的である部分によって説明されるリターン。個別スペシフィックなリスク。

説明:株式市場全体(日本で言えば東証株価指数TOPIX)に依存せず、当該企業独自に産み出せるリターンを指すことが多い。24番の関係式(一次方程式)のY切片。

27 ベータ(β値)

概要:ある銘柄のリターンのうち、市場全体(日本ではTOPIX)のリターンへの感応度で説明される部分。あるいは、TOPIXへの株価感応度。

説明:通常、景気敏感株は高ベータ(1より高いβ値)をもち、ディフェンシブや成長株は低ベータであることが観察される。24番の一次方程式の傾き。

28 株式投資家が要求するリターン

概要:リスクの高い株式への投資の動機となる想定(あるいは期待)リターンのこと。リスクを負う代償。

説明:日本株の場合、年率8%程度を期待する投資家が多いと言われている。この程度のリターンが期待できないと、債券投資を選好する投資家が多くなる。

29 標準偏差(シグマ/σ)

概要:統計学上の、正規分布想定における分布のチラバリ度合。分散(variance)の平方根。各要素の平均値からの差分を二乗して合計した平均値の平方根をとったもの。

説明:日経平均株価のσは年率20%、長期国債のσは年率2%程度。株式は国債に比べて標準偏差が大きい、つまり、リスクが高い。よって、期待リターンが高くないと株式投資家は動機付けられない。

30 GICs10業種分類

概要:Global Industry Classification。世界標準の業種分類。

説明:エネルギーやヘルスケア、という業種が独立して10分類の構成要素になっている点など、日本の一般的な業種分類と異なる点が観察される。

31 株式のスタイル

概要:株式のリターンの特性上、経験則的に観察される、同じ特徴をもった銘柄(業種は異なる)が属すると考えられるその特徴の事。

説明:大型株/小型株、バリュー株/グロース株、輸出株/内需株、景気敏感株/ディフェンシブ株、といった分類があり、同一スタイルに属する銘柄群は同じ方向性のリターン特性をしばしば示す。

32 バリュー株

概要:低PBRあるいは低PER株のこと。割安株。

説明:代表的なスタイル分類の一つ。割安状態にある株式の一群で、市場全体(TOPIX)に対するβ値が高いという共通した特徴を持つ。景気感応度が高いという特徴もある。

33 グロース株

概要:高PBRあるいは高ROE株のこと。成長株。

説明:代表的なスタイル分類の一つ。収益性が高い、成長力が高い、業界内でトップグループである、などの共通した特徴があり、βが低くαが高いような一群の銘柄群。

34 リターンの相関(相関係数:ρロー)

概要:複数の銘柄のリターンにおいて統計的に観察される相関性。共分散(covariance)を各シグマで除した数値。1が完全相関、0なら無相関、-1が完全逆相関。

説明:株式に限らず、分散投資を試みる上で分散効果が発揮されるためには理解することが必須。強い順相関の2資産への投資はリスクが高まる結果となる。

35 ポートフォリオ効果

概要:ρが低い乃至逆であるような複数資産に分散投資することで得られる『リターンを犠牲にする事無くリスク低減効果を得る』という効果。

説明:用語使用例:株式ポートフォリオ、(会社の)事業ポートフォリオ、(個人家計の)資産ポートフォリオ

36 分散投資

概要:投資対象や投資タイミングを1銘柄・1資産・1回としてしまうと、全てを得るか全てを失うかという結果になるが、それを回避するのが資産分散、銘柄分散、時間分散である。

説明:一般に、個人投資家にとって分散投資は望ましい手法である。ただ、例えば時間分散のケースでは、ある投資対象へのポートフォリオ効果を獲得するものではない、と考えられる。

37 業績モメンタム

概要:利益予想の修正のこと。上方修正になれば、業績モメンタムは強い、と表現できる。

説明:市場が十分効率的であれば、上方修正という情報は瞬時に価格に反映されるべきだが、実際に観察すると、業績修正はそれが生じた日からしばらく効果を持続することが知られている。

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