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2018年08月20日

【会員専用 Weekly No.161】トルコ衝撃に日本株は「過剰反応」

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  1. トルコ衝撃に日本株は「過剰反応」

  2. トルコの混乱は燻り続ける

  3. 大統領のドル高容認発言

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Weekly 8月20日

 

トルコ衝撃に日本株は「過剰反応」

8月10日の東京時間午後、トルコリラ下落を材料にユーロ安、新興国不安、日米通商協議の進展が見られず、日経平均は300円安、この日のNYダウは196ドル安、週明けの東京市場では日経平均は440円安、2営業日で3.2%下げた。2営業日の下落率としては3月以来の大きさだった。13日時点の年初来騰落率は日経平均が−4.0%、TOPIXは−7.2%。

先々週の金曜日と翌月曜日の下落は確かに説明しやすい下落だった。トルコリラ主導で新興国通貨が売られる中、安全資産としての円が上昇、日本の輸出企業の利益見通しが圧迫された。また、銀行にはトルコへのエクスポージャーを巡る懸念がくすぶった。

米中摩擦問題で世界的にちょっと不安な空気がある中でトルコの問題が浮上し、市場は一種のソフトパニックみたいな状態になった。同時に日本株は明らかに割安ゾーンに入ったと思っている。日経平均の13日時点のPERは12倍台、これに対し、S&P500種株価指数は同17.6倍だ。同日は銀行株も下げ、三菱UFJフィナンシャル・グループは一時3.4%安まで売られた。ただ、国際決済銀行(BIS)の3月末時点のデータによれば、邦銀のトルコ向け融資は約110億ドル(約1兆2180億円)にすぎない。

リーマン・ショック以降、新興国はドル建て債務を積み上げてきた。ドル高・新興国通貨安となると、ドル建て債務が雪だるま式に膨らむ。新興国の経済状況は悪い状況ではないが、ドル高という『アキレス腱』を投機筋に突かれている印象だ。 日本市場だけでなく、他の市場の反応も過剰だ。トルコ向け債権を最も多く抱えているとされるスペインであっても、総与信額に占めるトルコの割合は4%台にすぎない。トルコリラ安で市場が不安定化し、欧州の金融システム不安につながるというのは、行き過ぎた見方といえる。

もっとも、通貨安が進行しても利上げをしない状況を、トルコのエルドアン大統領は固執しており、ある意味でトルコは投機筋に「狙われやすい国」となっている。トルコ当局の政策を催促する相場になりつつあるとみることもできる。

今年はヘッジファンドのパフォーマンスが非常に悪い。ヘッジファンドからみれば今回の局面はパフォーマンスを挽回する大きなチャンス。マーケットの動きも需給主導の側面が大きい。日経平均が400円下げた月曜日の空売り比率は48.5%と3月23日974円下げた時の50.3%に次ぐ高水準。これは短期筋が一斉に空売りを仕掛けたことを意味し、同時に潜在的な買戻しが発生することをも意味する。火曜日買戻しで498円高で空売り比率は下げているが、依然として40%以上をキープしている。

ヘッジファンドではないが、トルコの経済混乱に伴う新興市場資産の値下がりでドイツ銀行の債券トレーダーらは2週間で3500万ドル(約39億6800万円)の利益を確保したとブルームバーグは伝えている。一方では、今回のトルコリラの混乱で、高金利通貨を狙った国内のFX投資家は大きな痛手を被ったかもしれないが、大きな利益を上げた市場参加者も存在するのだ。