AMI blog

2018年02月05日

【会員専用 Weekly No.136】米債券利回り急上昇、米株急落

会員専用ブログの記事です。

続きを読むにはパスワードが必要となりますので、こちらから会員登録をお願いします。

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

  1. 米債券利回り急上昇、米株急落
  2. 債券のポジション調整なのか、世界的に金利調整へ
  3. 米政治の混迷?
    

 

Weekly 2月5日

米債券利回り急上昇、米株急落

2日のNYダウは665ドル安と08年12月以来の大幅安を記録した。この日発表された雇用統計で、平均時給が前年同月比+2.9%と09年6月以来の高い水準となったことで、米10年債の利回りが一時2.85%と04年1月以来の水準まで上昇したことが株価を押し下げた。10年債の引けは2.84%。このため、円ドルは109.90円辺りから一気に110.48円まで売られ、引けは110.10円となった。この日の大幅安で米国株は弱気相場入りと見る投資家も多いかもしれないが、やや時期尚早と考える。NYダウは数日前の1月26日に最高値26,616ドルを付けたばかりだったが、この日の引け値で4.1%の下げであり、調整入りの10%の下げには至っていない。米国株は10%の下げで調整入り、20%の下げで弱気相場入りと言われている。問題は債券利回りの急上昇だろう。

NYダウ大幅安の直後の3日にパウエル新FRB議長が就任する。新議長はタカ派なのかハト派なのかを市場は気にするだろう。そこで、少し古いが同氏の講演録から今後の金融政策を想定してみる。彼は「米国にとって、金融危機後の潜在成長率予想の低下の大部分は、労働供給量の下振れというより、むしろ労働生産性の改善の弱さを反映したものだと思わる」と、雇用の改善は順調な一方で、生産性の改善が不十分とのスタンスだ。 パウエル氏が講演で用いた潜在国内総生産(GDP)と実際のGDPは、足元で明確に並んだ可能性が高い。しかし、生産性改善の遅れのために、潜在GDPは以前見込まれていたよりも低下しているとパウエル次期FRB議長は考えており、金利水準は緩和的なスタンスを維持し、その結果、潜在成長率が高まり得るわけだ。 つまりよく言われる高圧経済を志向しているのではないだろうか。「高圧経済」とは、物価の上昇や労働市場の逼迫、活発な設備投資などが続いている過熱気味な経済状況を指す。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が昨年10月の講演で高圧経済について発言をしたことで注目を浴びた。

昨年11月2日、トランプ大統領はパウエル氏を次期FRB議長に指名した。このころから米国債の利回りのフラット化(中短期債の利回り上昇、長期債の利回りはそれほど上がらない状態)が始まった。昨年年初は5年債と10年債の利回り格差は160ベーシスポイント(1bpは0.01%)、先月末には50ベーシスポイントまで縮小していた。このフラット化が円と米金利の相関性を喪失させていたのだ。2日の10年債が2.84%まで跳ね上がったのは、11月以降長期債を買っていたフラット派が一斉に売った(利回り上昇)ためだと思われる。したがって、しばらくは米株、米債券の調整は続くが、米金利上昇、米株下落のトレンドが形成されたわけではないだろう。円に関しても米金利との相関性が復活していくと思われる(米金利上昇はドル高円安の構図)。なお、この日のシカゴの日経平均先物は大証比360円安の22,945円だった。今回の米国株の大幅安は債券等のポジション巻き戻しによるものでるため、今週はおそらく23,000円の値固めの週となるだろう。